1年前にアイロン転写で基板制作という記事を書いた。
その時はまだ高校生だったので、プリント基板は学校で作っていた。
制作の手順としては、
- パターンの設計
- レーザープリンタでOHPシートに印刷
- 生基板に印刷したOHPシートをアイロンを使って熱転写
- エッチング
しかし、このアイロンとOHPシートを使った熱転写は、転写の難易度が高いことと、OHPシートが高いというデメリットがあった。
そして高校を卒業したので、プリント基板を作る環境が無くなってしまった。(大学でできるのだがw)
折角なので家でプリント基板制作ができる環境を作った。
前置き終わり<(。ε゚)>
以前のOHPシート+アイロンより簡単に出来る方法ができました。
前の記事にちらっと書いたクッキングペーパーを使う方法です。
クッキングペーパーは表面がツルツルしているので、トナーが定着しにくく簡単に取れてしまいます。これを利用しようと言うものです。
OHPシートよりも入手性が非常に高く、安価です。スーパーや百均に必ず置いてあります。
前の記事では、クッキングペーパーにそのまま印刷しようとしたので、失敗したのですが、
台紙にクッキングペーパーを貼りつけたら詰まらずに綺麗に印刷できることに気付きました。
また、ラミネータを使い綺麗に転写することができました。以下に手順を示します。
1. クッキングペーパーにパターンを印刷
これが何気に難関です。レーザープリンタが必要になります。
普通紙とか適当な紙に、適当にカットしたクッキングペーパー(シート)を貼り付けます。
貼り付けるテープは、マスキングテープか、ポリイミドテープをオススメします。レーザープリンタで印刷するので、高温に耐えられるテープでなければなりません。
張り方としては、写真みたいな感じで良いと思います。写真の場合は左側がプリンタに差し込む方になります。
あと、クッキングペーパーを貼り付ける位置もちゃんと確認しましょう。
失敗するとこうなります……。
ちなみに、印刷後に綺麗に剥がしたテープは再利用できますw 保存する際は要らないクッキングペーパーに貼っつけときましょうw
プリンターの印刷設定は、濃度最高、画質キレイ、とかにしておきます。
ドキドキしながらプリンタにセット
印刷するとこのようになります。
クッキングペーパーに印刷したトナーは、定着してないようなものなので、指で触ると簡単に落ちます。慎重に作業します。
2. 基板へ熱転写
印刷がうまくできたら、生基板へ転写します。
印刷した面を、基板側にして、適当に位置合わせしてテープで止めます。止める箇所は一箇所でいいと思います。今回はポリイミドテープを使いましたが、もっと安価なマスキングテープでも大丈夫です。
ここで、ラミネーターの登場です。このラミネーターに先ほどの基板を通すわけですが、完全に想定外の使い方です。温度が低かったので、改造して温度計を付けました。160℃あれば転写できるようです。
改造されて基板を通されるなんて思いもしなかっただろう |
ラミネーターを使いましたが、アイロンでも簡単に転写できると思います。押し付けるだけでできそうです。
成功するとトナーが基板に移ります。クッキングペーパーの方にはトナーは残りません。例のぶどう紙のように紙の繊維を取る作業もありません。
私が使っているプリンター(EPSON LP-S100)では、トナーが薄いので、ここまでの作業を2~3回繰り返して転写を重ねています。
両面基板のもう片方を転写する場合は、転写の終わった裏面に、クッキングペーパーを当てておくと良いと思います。
3. エッチング
転写が終わり、パターンの欠落やショートが無いことを確認したらエッチング作業にはいります。
エッチングしない余白部分はマスキングテープを貼っときます。
エッチングの方法はググってください
4. トナーの除去
トナーは金たわしとか紙やすりとかクレンザーで削り落とします。
シンナーやアセトンのような有機溶剤でも落ちます。アルコールでは微妙でした。
かなり細かいパターンまで作れます。ちなみに両面基板です。
5. 穴あけ
ボール盤で穴あけします。糞だるい作業になります…(◞‸◟)
6. 完成\('ω')/
基板をカットして完成だーーー!!!!!!
今回作った基板は、フリスクのケースに入るUSBオーディオでした。
PCM2074を使って、出力のLPFは、オペアンプNJM4580です。
回路はnabe氏のモノを参考にしました。
両面基板ですが、スルーホールが作れないので難儀です。
電解コンデンサがデカくて困ったものです。
最後に、プリント基板を作る上で、クッキングペーパーを貼った紙をプリンタに突っ込んだり、ラミネーターを改造して(ラミネーターにとっては)分厚い基板を突っ込んだりしてますが、どれもアリエナイ使い方なので機械を壊す恐れがあります。壊れてもメーカー保証は受けられないでしょうww
あくまで自己責任で行なってください。
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